音が必要な瞬間は少ない
ボタンを押した直後に画面の色や位置が変わるなら、使う人はすでに結果を知っている。その変化を毎回音でも繰り返すと、フィードバックは確認ではなく重複になる。スクロール、カーソル移動、タブ切り替えのように手と目が同時に追う行動は、たいてい静かなほうがいい。
一方で、送信が終わったか、時間のかかる処理が終わったか、画面を見ない間に通り過ぎる状態変化かは、音が代わりに知らせられる。音の価値が高いのは行動そのものより、結果の確かさが必要な瞬間だ。
音色より先に見るタイミング
同じ短いトーンでも、押した瞬間に鳴れば操作への反応に感じられ、処理の後に鳴れば完了の信号になる。早すぎる音はまだ起きていない結果を約束し、遅すぎる音では使う人はすでに別の場所を見ている。良いプロダクトサウンドはきれいな一音を選ぶより、その一音をどの状態の終わりに置くかを決める作業に近い。
長さも同じだ。指に付いてくる短い反応と、完了を知らせる余韻を同じ長さにする必要はない。次の行動をすべきか、少し待つべきかで、音の始まりと終わりは変わる。
一つのプロダクト、複数の信号
プロダクトにはクリック、成功、警告、エラー、バックグラウンド更新のように異なる状態がある。すべての場面に同じ明るさの音を使えば、それぞれの意味は消える。反対に状態ごとにまったく違う効果を付ければ、プロダクトは小さな通知が競争する場所になる。
まず必ず気づくべき信号と、画面を見るだけで十分な信号を分ける。その後、必要な信号の中でも成功・注意・エラーの重さを区別する。この順番があれば、個別の音をつくるときも一つの音がプロダクト全体の秩序を壊さない。